後にも先にもこんなバンドは出ないだろうと感じさせる恐るべきバンド、
The Pop Group(ザ ポップグループ)のファーストアルバムです。
時代をずったずたに切り裂いてくれてしまっています。
私が初めてこの作品を耳にしたのは、ラジオ放送で全曲紹介されていた時でした。
一聴してはっきり何のことやらわかりませんでした。理解できませんでした。ノるわけでもなく気分が高揚するわけでもなく.......
一回聴いてピンとこなかったからといって避けていたら、この凄い音楽を逃してしまったことでしょう。何故か気になってしょうがないので何回も繰り返し聴いていました。
5、6回位聴いたあたりで自分の固定観念や予定調和が崩れ始め、ノれないリズム、理解不能のアジテーションヴォーカル、ねじれた音空間、すべてが快感に変わり始めました。
このような"インスパイアー"とでもいうべき体験は、鬼才三島由紀夫の文学に触れたときにも経験したことがあります。
とにかく彼らの感覚が尋常じゃなかったのではないでしょうか。
若くて未完成だからこその「未完成」という名の完成形。
バンド名The Pop GroupのPopという言葉から想像されるイメージと全く真逆の音を吐き出す彼ら。
それは、人間の根源的な心の叫びに他ならないでしょう。
このアルバムのCD化にあたってオリジナルには未収録だったシングル曲の
シー・イズ・ビヨンド・グッド・アンド・イーヴィルを冒頭に持ってきているのは、オリジナル一曲目の「戦火は消えない」のイントロ部分の魅力が消えてしまって惜しいです。
未聴の方は、まずはこの世界を体験してください。
この体験は、
大事件 だと思いますよ。
- She is Beyond Good and Evil
- Thief of Fire(戦火は消えない)
- Snowgirl(スノーガール)
- Blood Money(外人部隊の叫び)
- We are time(狂気の時)
- Savage Sea(狂った海に立ち向かった兵士)
- Word Disobey Me(言葉は裏切り)
- Don't Call me Pain(兵士のあがき)
- The Boys From Brazil(人類回帰)
- Don't Sell Your Dreams(夢を売り渡すな)
怖~い音楽ですね。藁人形に釘を打ちつけている人を見かけたらきっとこういう音楽が流れているでしょう。
生きているうちに全部聴きましょう。絶対に。
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