このPhew(フュー)という人は、大阪出身だったんですねえ。
東京っぽいなあ。
1970年代後半からAunt Sally(アーントサリー)というバンドのヴォーカルだったわけなんですが、その最初にして最後のアルバム「Aunt Sally」のジャケット写真のカッコつけた澄まし顔が私はなんとなく好きになれないで当時聴こうとはしませんでした。
で最近ですアーントサリー、Phewの音楽を聴き始めたのは。
もっと早く聴いておけばよかったと思いますね。
今にも転びそうなこの不安定感は何なんでしょう?ここにはニコのような救いようのない絶望感はありません。
幸せな胸さわぎ。
気持ちいいー痛み。
何とも言えない不思議な雰囲気が彼女のヴォーカルから、口から目から毛穴から煙のように噴き出して聴く者の目にしみます。
唯一無二の彼女の個性です。
ドイツプログレッシブロックの雄、カンのヤーキリベーツァイトやノイバウテンのアレキサンダーハッケ、DAFのクリスローハアスも参加し豪華な内容になってます。
Phewのヴォーカルは、ある時は「さいごのうた」のように勝手気ままに呟いてみたり、「水と水のように」のように演劇の鬼気迫るような切羽詰まった叫びだったり、ある時は「におい」のように棒読みに近いヴォーカル、またある時は「海のように」みたいに悪意ある笑みを含んだ謎のヴォーカルと様々に変化して魅了します。
耳に心地いいだけのJ-POPが氾濫している今、新鮮ですぞ。
1.The last song (さいごのうた)
2.Our likeness (アワ・ライクネス)
3.Being (あるもの・あったもの)
4.Like water and water (水と水のように)
5.Glitter of night (夜の光)
6.Spring (春)
7.Smell (におい)
8.Depth of the forehead (額の奥)
9.Our element(アワ・エレメント)
10.Expression(エクスプレッション)
11.Ocean (海のように)
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